それは太陽のせい

8月ですね。
こんがり小麦色になった子供たちを街で見かけるようになりました。
じつは革の中にも私たちのように「日焼け」するものがあるんです。
革製品を使っていると、最初より色が濃くなっていることに
ふと気づくことがありませんか?
上の写真の2つの革小物、実は同じ一枚の牛革を使って作られています。
色の濃いほうのものは数ヶ月早く作られ、アトリエに展示されていました。
これは、「タンニン鞣し(なめし)」と呼ばれる方法でつくられた革が、
日光に当たることによって起こる色の変化なのです。

革の作りかたの話になりますが、「鞣し(なめし)」とは
動物からとった生の状態の「皮」を腐ることのない、耐久性のある安定した
「革」の状態に加工するという作業で、
なかでも、植物の実や樹皮から採れた渋(タンニン)の
溶液を使った物のことを「タンニン鞣し」といいます。
他にも「クローム鞣し」や「混合鞣し」というのもありますが、
「タンニン鞣し」は人類の歴史の中でもかなり古くから行われていた方法で
古代エジプト時代の世界最古の革製品も「タンニン鞣し」のものだそうです。

タンニンにはお日様に当たると茶色く発色する性質があります。
革の中に含まれるタンニンの成分も、
革製品を使っているうちに少しずつお日様にあたって
じわりじわりと発色してくるのです。
伝統的な染物である「柿渋染め」は、このタンニンが日光で発色する性質を
利用した染物で、柿渋の溶液に浸した布を太陽に当てることによって
あの茶色い色を発色させるのだそうです。
人間とタンニン。
仲良く付き合ってきた歴史があるんですね。


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